洗練されたデザインでお客様の商品の
ブランディングに貢献する

多くの企業は売り上げアップを目指し、自社商品のブランディングの強化に取り組んでいます。他社商品との差別化を図るために、重要視されているのが商品のパッケージなのです。

特種東海製紙では、新たな高級パッケージ素材を開発するべく、開発組織のメンバーが奮闘してきました。そして2020年8月、ついにある新製品を世に送り出すことになりました。それが「TT-SPARKLE」です。「TT-SPARKLE」は化粧品や貴金属など、高級な商品のパッケージとして使用できる、意匠性に優れた紙素材です。

これまでの設備・技術では到達できない、新たな領域へのチャレンジ

私たちは「TT-SPARKLE」の開発に際し、パッケージにとって非常に重要な2つの性能に着目しました。一つは「意匠性」、そしてもう一つは「模倣対策」です。

お客様が取り扱う商品のブランドイメージを守るのはもちろんのこと、さらに商品価値を高めるためには、意匠性が優れたパッケージが必要不可欠です。また模倣しにくい工夫を素材に施すことで、模倣対策になることも欠かせないポイントになると私たちは考えていました。

当社はもともと、紙に意匠性を付与する加工を得意としています。こうした技術をもとに、当社が製造したファンシーペーパーは今まで数多くの書籍の装丁やステーショナリーなどに採用されてきました。

今回の新製品開発にも、当社が得意としてきた技術や蓄積された知見に加え、お客様のニーズを活かしていこうと開発メンバーは考えていました。しかし、お客様の商品価値をさらに高めるパッケージ素材はどのようなものか検討していくうちに「現状の技術や設備だけでは実現できない領域がある」という結論に達したのです。

想定外のトラブルが続出…100種類以上のトライ&エラーの果てに

新たなパッケージ素材を開発するためには、今までの延長線上にはない、新たなチャレンジが必要なのではないか。そう考えた開発メンバーは、これまでとは異なる意匠性を紙へ付与するため、新しい設備と技術を導入することにしました。

慣れない設備と技術の影響で、使う用紙の種類によって意匠性に想定外の差異が出てしまったり、施した意匠がうまく再現できなかったり…これまで経験したことがなかったトラブルが、次々と起きていきました。
しかし、そのような状況の中でもあきらめることなく、最適な意匠性を得るためにトライ&エラーを繰り返しながら、使い慣れない設備を動かし続けました。

そして100種以上の用紙を評価し、試行錯誤を重ねた結果、光を利用して動きのあるパターンを生み出す技術「D-motion」を確立したのです。

新たな紙製パッケージ素材の誕生と、これからの未来

新技術「D-motion」によって、新製品「TT-SPARKLE」の第1弾ラインナップとなる、18アイテムが無事に完成。もともと私たちが強みとしていた意匠性付与技術を進化させ、紙素材でありながら、これまではなかなか表現が難しかった高級感を演出できるシートが生まれた瞬間でした。

商品のブランド価値を高めることができる「TT-SPARKLE」。ここには、──お客様が抱える課題解決の糸口になりたい、パッケージ用紙のステージを上げていきたい──そんな紙会社の願いとこだわりを込めています。