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製品開発ストーリー

製紙産業に欠かせない「きれいな水」はどこから?

紙づくりを支える、2つの清流

パルプとともに、紙づくりに欠かせない「きれいな水」

人目をひくパッケージの紙には、白く清潔感があるものや、鮮やかな色をしたものなど、さまざまな種類があります。こうした「きれいな紙」を作るため不可欠なのが「きれいな水」です。

重さ1トンの紙を製造するためには、100トンの水を必要とします。そのため製紙産業を営む私たちにとって「きれいな水」は、パルプと同じように欠かせないものです。

「きれいな水」を必要とする製紙産業、その大元となる和紙の産地は古来より、日本各地の清流域に点在していました。現代に移り変わる中で、原材料の輸入や製品出荷などの効率化を図るため、臨海地区に工場を構える企業が増えましたが、当社は今もなお、静岡県を流れる柿田川・大井川という日本を代表する清流の近くで、特徴のある紙の生産を続けています。

今回は当社の主力工場で利用している、2つの「きれいな水」についてご紹介します。

三島工場:日本三大清流と同じ水源で、繊細な特殊紙を製造

まず1つ目の水源は「柿田川」。柿田川は静岡県駿東郡を流れる河川であり、高知県の「四万十川」、岐阜県の「長良川」と並び、「日本三大清流」と称されているほか、昭和60年には環境省によって「名水百選」にも選定されています。全国でいちばん短い一級河川(全長1.2km)でありながら、東洋一の湧水量を誇ります。

当社の三島工場では、この柿田川と同じ水源の地下水を利用し、特殊紙を生産しています。滅菌紙や圧着はがきなどに代表されるような、異物がきわめて少ない特殊紙の製造を得意としています。

新東海製紙:最高の水質を誇る河川水で、産業用紙を製造

2つ目の水源は「大井川」です。大井川も静岡県を流れる河川であり、当社の社有林である南アルプスを源流としています。江戸時代「箱根八里は馬でも越すが、越すに越されぬ大井川」と唄われた激流が特徴です。

大井川は、令和元年に実施された国土交通省の水質調査において、四万十川と同等の最高類型「AA」という評価を得ています。

当社グループの新東海製紙(島田市)では、この大井川の河川水を利用し、段ボール原紙やクラフト紙などの産業用紙を生産しています。

今回ご紹介した「きれいな水」を利用し、さまざまな紙を製造し続けることができる環境は、一朝一夕で築けるものではありません。特種東海製紙では恵まれた環境下で紙作りをしていくため、節水や排水対策などをはじめ、自然の保全と環境負荷軽減に最大限努めています。

今後も当社では、自然の恵みに感謝し、環境に十分配慮した製品の提案を継続してまいります。

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