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意匠

「これが紙の箱?」と言いたくなる。高級感と重厚感を演出する「ダブルVカット貼り箱」とは?

上:一般的な貼り箱、下:ダブルVカット貼り箱

みなさんもよくご存じの通り、世の中には紙で作られたさまざまな用途の箱が多く流通しています。その中には一見すると、紙以外の素材でできているように見えるものもあります。今回は、多くの人が思わず「これが紙の箱?」と言いたくなる商品についてご紹介します。

強度があり、高級感と重厚感を演出できる「貼り箱」とは

まずはじめに、この記事の最初にご紹介した写真をご覧ください。高級感が感じられる赤い箱。こちらは「貼り箱」「くるみ貼り」などと呼ばれる技法で作られています。

地域や業界によっていろいろな呼び方があるそうですが、芯となる厚紙に意匠性のある紙や布などを貼りつけ、くるんで形にしています。強度があり、基本的には折り畳みができません。

貼り箱の中でも細かなワザが際立つ「Vカット貼り箱」

貼り箱の種類の一つに、通称「Vカット貼り箱」「V溝カット箱」などと呼ばれる、エッジが際立ったタイプの箱があります。

Vカット貼り箱とは、箱の芯材となる厚紙側にV字に切り込みを入れることにより、エッジを立てた貼り箱の一種です。一般的な「貼り箱」と角を比べて見ると、違いがはっきりわかります。化粧紙側には、一般的な貼り箱より厚いものが使われる傾向があります。

紙加工の「Vカット」とは、一般的には紙を斜めにカットする切り方のことを指します。よく目にする例としては、額装のマット台紙の窓部分のカットなどが挙げられるでしょう。

「Vカット貼り箱」も同じように紙に斜めに刃を入れて組み立てるので、パッケージ業界ではその技法で作られた箱そのものを、略して「Vカット」と呼ぶ場合もあります。(※本ナレッジでは切り方を「Vカット」その技法で作られた貼り箱を「Vカット貼り箱」と記載します)

この「Vカット貼り箱」は数年前、有名なスマートフォンのパッケージに使用されて話題になりました。箱を作る製法の名前は知らなくても、スタイリッシュなフォルムの外箱が印象に残っている方も多いのではないでしょうか。

Vカットの箱のエッジの仕組み

さらにエッジのシャープさを際立たせる「ダブルVカット貼り箱」

「Vカット貼り箱」よりもさらにシャープなエッジを実現したのが、「ダブルVカット貼り箱」です。芯材となる厚紙にVの字の切込みを入れるのは「Vカット貼り箱」と同様ですが、化粧紙側にも溝を掘ることで、エッジをさらに際立たせています。

こうしたエッジを加工するにあたり、芯材側の溝と化粧紙側の溝の位置を合わせることが難しいため、量産するには独自のノウハウが必要となります。

ただ化粧紙側にも溝を掘ってしまうので、折加工による罫割れの心配がありません。化粧紙に厚紙を使用する点も特徴的であり、芯材の地合いを覆い隠してしまうため、非常にフラットな表面に仕上がります。

そうした特徴を生かし、光を利用して動きのあるパターンを持つ当社の特殊紙「TT-SPARKLE」と組み合わせ、まるで金属のような質感のパッケージを作製することも可能です。非常に重厚感のある見た目に仕上がるため、一見すると紙でできた箱には見えません。

当社ではその箱の佇まいから「ソリッドボックス」と名づけ、展示会などでご紹介をしております。お渡しできるパッケージ見本のご用意もありますので、ぜひ一度、現物を手に取ってその質感をご覧ください。

「ソリッドボックス」
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